いっしょに考えよう、私のこと「質問促進パンフレット」精神科外来での共同意思決定支援ツール

精神科の診療時間の有効活用ツール
「皆はこんなテーマを話し合っています。」
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ききたいことをきいて、
思っていること・話したいことが話せる
〜率直な対話ができる対等な関係の精神科診察室に向けて〜

パンフレット画像

今までの診察では、様々なことを決めていくのが医療者主導で行われることが一般的でした。しかし、近年、患者さんと医療スタッフが一緒に必要な情報を共有し、患者さんの想いや希望に沿って共に治療方針を決める、「共同意思決定(SDM:Shared decision making シェアードディシジョンメイキング)」が重要視されています。

どんな治療をするのか、どんな生活をしていくのかを、自らの考え方や価値観、人生観に沿って、周りのサポートを受けながら、主体的に意思決定していくことを支援するための様々な工夫やツールのことを、「意思決定支援ツール (decision aid ディシジョンエイド)」と言います。

がん医療の領域などを中心に、意思決定支援ツールの一つである、「質問促進パンフレット(question prompt sheet)」が開発され、注目を集めています。 このたび、主に統合失調症を持つ人が精神科外来で主治医にききたいことをきき、より良いコミュニケーションをするための「質問促進パンフレット(question prompt sheet)」を作成しました。本パンフレットは、多くの患者さんやその家族の意見を頂いて改訂を重ねたものです。精神科外来でお役立てください。

より良い質問促進パンフレットや
意思決定支援ツールを作り、
多くの人に届けるために

この質問促進パンフレットはたくさんの統合失調症を持つ当事者やその家族の御意見を頂いて作りました。また、作成には大学の研究者だけではなく診療所の医師も参加し、一般的な日常診療の実態を考慮して作成しましたが、完璧なものではありません。それぞれの人、それぞれのタイミングによって、必要な意思決定支援は違ってくるからです。

私たちが作った質問促進パンフレットは「版権フリー」ですので、ご自由にお使いください。質問項目だけを書いたWord文書も準備致しました。それぞれの人やそれぞれの施設の特徴に応じて質問項目を工夫したりするのにお役立てください。

パンフレットの最後に白紙のページを追加して医師の答えをその都度書きこんでいくなどすると、その当事者だけの手引き書になるかもしれません。いろいろなアイデアを当事者・家族・医療者皆で出し合って、もっと良い質問促進パンフレットとなることを願います。


また、質問促進パンフレットに関して寄せられたみなさまからのご意見は、今後、当サイトにてご紹介していくことも検討しております。

質問項目はこちら

監修:
池淵 恵美(帝京大学医学部精神神経科学教室主任教授)
笠井 清登(東京大学大学院医学系研究科精神医学分野教授)
夏苅 郁子(やきつべの径診療所)
福田 正人(群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学教授)
編集委員:
金原 明子(東京大学大学院医学系研究科精神医学分野)
熊倉 陽介(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野)
挿し絵:
夏苅郁子
価格:
無料(版権フリー)
発行:
平成28年9月
「精神科外来における意思決定支援ツール開発・普及委員会」 委員一覧
池淵 恵美(帝京大学医学部精神神経科学教室主任教授)
市橋 香代(東京大学大学院医学系研究科精神医学分野特任講師)
笠井 清登(東京大学大学院医学系研究科精神医学分野教授)
金原 明子(東京大学大学院医学系研究科精神医学分野)
熊倉 陽介(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野)
近藤 伸介(東京大学大学院医学系研究科精神医学分野特任講師)
管 心  (東京大学医学部附属病院リハビリテーション部デイホスピタル助教)
夏苅 郁子(やきつべの径診療所)
福田 正人(群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学教授)
宮本 有紀(東京大学大学院医学系研究科精神看護学分野准教授)
(五十音順)